簡易水冷キットは初期導入の手間が簡単で、完全密封のメンテナンスフリーな水冷キットです。簡易水冷キットを検討している人の中には、水冷は空冷よりもよく冷えると思っている方がいるかもしれませんが、必ずしもそうとは限りません。
簡易水冷式が冷えるかどうかはケース内のエアフローコントロールができているかどうかによって決まります。エアフローがしっかりと確保され、ケース内がほどよく冷却されている場合に限って効果を発揮してくれます。逆にエアフローが悪く、温かい空気がケース内に滞留している場合は簡易水冷式のクーラーでは冷やすことができませんので注意が必要です。
簡易水冷式のクーラーでよく冷やすためには
簡易水冷式で冷えるかどうかはケース内エアフローが重要といいましたが、具体的にどういった状況であれば冷えるのかといいますと、ケース内の温度を低く保てる場合に冷えるといえます。
特にスペースの確保された大型のケースで、正しくケースファンを取り付けられ排熱がうまく行われている、そして常に温度の低い外気をケース内に取り込めているといった場合には、空冷の場合よりも簡易水冷式のほうがよく冷えるはずです。
しかし小さなケースで暖かい空気がケース内に滞留している場合は、簡易水冷式のクーラーではケース内の温度以下に下げることはほぼ不可能となります。
簡易水冷式キットはラジエーターによって熱を逃がしますが、一体型になっているためラジエーター自体をケースの外に出すことができません。そのためケース内に設置することになります。ですのでケース内の温度が高くなると、強力なファンを持たないラジエーターは、熱を逃がすことができなくなってしまうのです。
メンテナンスフリーなものの寿命はある
簡易水冷式は水枕、チューブ、クーラント、ラジエーターまですべてパッケージ化されています。そのためはじめからクーラントの注入も不要で導入も簡単です。しかもメンテナンスフリーでクーラントの入れ替えも不要となっています。
完全に密封されたパッケージにも関わらず、クーラントは不思議と少しずつ揮発していきますので寿命あります。2年使い続けた場合、クーラントは少し濁り、量は揮発のためか少しずつ減っていきます。そのため冷却能力は少しずつではありますが低下していくということに注意しておく必要があります。
簡易水冷キットは安価で導入することができます。ずっと使い続けることができるわけではありませんが、空冷に比べてパソコンを静音にしやすくもなりますし、エアフローさえしっかり確保できればよく冷えます。本格水冷はちょっと不安といった方も簡易水冷式から手を出してみてはいかがでしょうか。
