HDDの故障や寿命の話題になると、よく出てくるキーワードが「不良セクタ」という用語です。この不良セクタとは、簡単に言えば「磁力が劣化して読み書きができなくなったHDDの一部分」のことです。
不良セクタとは?
HDDがデータを記憶し、読み書きをするために使われいてるテクノロジーは「磁力」です。磁力によって、ディスク部分から情報を読み取り、ファイルとしてパソコンの画面に表示することができるのです。
HDDがパソコン内部で絶えず回転し続けているのは、ディスクを回転させながら「プラッタ」と呼ばれる針のような部分でデータを読み取っているためです。この読み取りの工程において、「磁力」が使われているのですね。
つまり、不良セクタとは「プラッタが送る磁力に反応してくれなくなったディスクの一部分」のことを指すのです。これにより、特定のファイルだけが読み込めなくなったり、読み込みが遅くなったり、書き込みができなかったり…といった不具合が起こるのです。
HDDの寿命とは「不良セクタが発生するまで」のことを指す
よく言われる「HDDの寿命」の概念。これはようするに、ディスクに「不良セクタ」が発生するまでの期間のことを言うのです。例えば、「寿命の長い高品質なHDD」とはつまり、「不良セクタが発生しにくいHDD」と同義ということになります。
「落としても壊れにくいか」というのを「寿命」というのではありません。これについては、「どんなHDDでも落としたら壊れる」と思っておくほうがよいでしょう。
不良セクタが発生した場合のデメリット
不良セクタが発生してしまったHDDでは、データの読み込み・書き込みの両方で不具合が生じます。例えば、不良となったセクタにもし、システムファイルやパソコンの動作にとって重要なファイルが格納されていた場合。これは最悪のケースです。
OSを保存しているセクタなどが不良化した場合、バックアップソフトで他のHDDにデータを避難させることすらできないケースも出てきます。これは、デフラグなどによってそのセクタから別のセクタに移動することはできません。
デフラグ時にも、プラッタが磁力によってそのセクタを読み込もうとするためです。その磁力に反応しなくなった状態を「不良セクタ」と呼ぶのです。かなり怖い話ですよね。
不良セクタへの対処法は「定期的な他ドライブへのバックアップ」
不良セクタになってしまったら。正直な話、なってからどうにかできる問題ではないというのが残念ながら事実です。HDDを運用していく上では、「必ずいつかはどこかのセクタが不良化する」という覚悟を持って使っていく必要があるのです。
そのため、自動で他ドライブへバックアップしてくれるソフトなどを使用して、「いつ不良セクタが発生してもいい状態」をキープしておくことが理想です。