間取りを描くような2D CADは動作環境が非常に低く、普通のパソコンでも動作します。しかし建築や機械を設計する3D CADの場合は、CADソフトの動作環境を満たしたパソコンでないとそもそも動きません。
また動作環境ぎりぎりだと設計を進めていくうちにどんどん重くなり、まともに作業できなくなって効率が悪くなります。だから3D CADを扱いたいなら、しっかりしたスペックにパソコンを使うことが大切です。
主な3D CADの動作環境
CADソフトには無料で軽いものからハイエンドで重いものまで様々あります。しかしどれを使うにしても特にグラフィックボードが重要で、動作環境を知らずにパソコンを買ってしまうと、そのパソコンで動かないなんてことがあるので注意が必要です。
AutoCAD
おそらく世界で一番使われているCADソフトがAutoCADです。AutoCADの製品ページには以下のように動作環境が記載されています。
「True Color および DirectX®9 ¹ 対応 1360 x 768 Windows ディスプレイ アダプタDirectX 11 互換カードを推奨します。」
DirectX9だからNVIDIA GeForceでいいのかな?なんて思うかもしれませんが、注目すべきはTrue Colorの表記です。GeForceはTrue Colorに対応していません。ここで推奨されているのは10ビットカラーに対応したQuadroシリーズです。
CATIA
CATIAの動作環境は以下のとおりです。
「nVIDIA社 QuadroシリーズやAMD社 FireProシリーズなどの3D OpenGLアクセラレーターを持つグラフィック・アダプターが必要。」
やはりQuadroシリーズが推奨されています。このように3D CADは基本的にQuadroというグラフィックボードが必要です。Quadroが搭載されていないと起動すらしないCADソフトもあることを覚えておきましょう。
一般的に3Dに強いグラフィックボードはGeForceのイメージです。ゲーミングPCに搭載されているのはほとんどGeForce GTXシリーズです。
しかしCADは違います。なんとなくゲーミングPCを購入してしまうと後悔することになるので、Quadro搭載のBTOパソコンを選ばなければならないことを覚えておきましょう。実際CAD用BTOパソコンとして販売されているものは、どれもQuadroが搭載されています。
おすすめの3D CAD用BTOパソコン
補足しておくとCPUはCore i7かCore i9、メモリは最低でも8GB、できれば16GBか32GBが必要です。このスペックを満たすおすすめの3D CAD用BTOパソコンをご紹介します。
ドスパラ「raytrek LZ P2」
ドスパラでCAD用BTOパソコンとして売れ筋ランキング2位のデスクトップです。Core i7、メモリ16GB、Quadro P2000搭載とハイエンドな機械設計以外ならほとんど完璧に対応してくれるハイスペックBTOパソコンです。
これなら極一部の精密な機械設計(例えば車)をする以外はすべてサクサク動くので一番おすすめです。パソコン本体がサクサク動くことに重要なSSDも搭載されていて、コスパも非常に良いです。
ドスパラ「raytrek LC-M」
大学生がCAD入門用にパソコンを買うならこれがおすすめです。15万円以下で購入できるのでCAD用パソコンの割にはお財布に優しいですね。
しかしスペックはそこまで高くありません。メモリ8GB、Quadro P600搭載と3D CADソフトの推奨スペックぴったりくらいです。せめてメモリ16GBにしてから購入したいですね。
ドスパラ「DP EXPERT WS2」
ドスパラはCAD用パソコンが充実していて素晴らしいですね。プロの設計屋さんも大満足できるハイエンドなデスクトップもあります。というかここまで来るとワークステーションと呼んだほうがいいかもしれません。
INTEL CPU最上位のXeon、メモリ128GBとまるでサーバーのようなスペックです。あくまでも設計を専門とした法人向けのBTOパソコンなので、一般人にここまでハイエンドなモデルは必要ありません。でもプロはこういうのを使っているので買う価値アリです。