パソコンのメンテナンス方法である「デフラグ」。これはHDD内部で色んな「セクタ」に散らばったファイルの断片を、一箇所に整理すること。これによって、ファイルの読み込みが早くなったり、書き込みも速やかになったりするというものです。
「セクタ」とは、いわばHDDの「細胞」のようなものです。例えば1TBのHDDで言えば、1TB分の容量を構成するセクタ(細胞)が存在し、それらが書き込み領域となって「HDD」として機能するのです。
そこで議論となるのが、「パソコンはやっぱり定期的にデフラグをしたほうがいいのか」「実はそこまで気にしなくてよくて、そこまで読み書き速度に影響は出ないのではないか」という両者の相反する定説です。実際のところ、デフラグはしたほうがいいのか。別にどっちでもいいのか。解説していきます。
インストール・アンインストールを頻繁に行う方の場合
様々なソフトをパソコンに導入したり、いらないソフトを削除したり。そうした動作を頻繁に行う方の場合は、おおむね半年に1回ほどはデフラグをしておきたいところです。この場合はデフラグだけでなく、レジストリクリーナー系のソフト(CCleaner等)で1ヶ月に1回ほどレジストリの掃除を実行することも大切です。そうしたほうが、「余計なインストール情報がHDD内部に蓄積し、それらもHDDの内部で整理されてしまう」という余計な工程が起こるのを防ぐことができます。
「ファイルの断片化」というのがそもそも理解できない方へ
デフラグの必要性を考えていく上で、そもそも「ファイルの断片化」というもののイメージが湧きにくい方も多いかと思います。
例えばですが、40メガバイトほどの動画ファイルがパソコンに保存されているとします。その場合、「動画ファイルの全体がHDDの一箇所に格納されている」というわけではないのです。実際には、「HDDの細胞」と説明した色んな場所に散らばる「セクタ」に、動画ファイルが「分解」されて、あちこちに散らばって保存されているのです。
あちこちに散らばっている「動画ファイルのかけら」を、いちいちHDD内部で探しまわって「動画ファイル」として読み込んでいたら、それだけ読み込みに時間がかかります。デフラグとはつまり、この場合で言えば「あちこちに散らばった動画ファイルのかけら」を「あちこち」ではなく、なるべく「一箇所」にまとめ直すという処理なのです。
大容量ファイルがたくさんある場合はしたほうが良い
大容量ファイルは、読み込みやコピー・移動に非常に時間がかかりますよね。しかし、デフラグを行うことでそれらが高速化することがあります。そのため、単一の大きなファイルがいくつかパソコンに入っているという場合は、デフラグを定期的に行ったほうが良いということになります。
ただしこれらはHDDの話です。SSDはデフラグしないほうがいいです。なぜならSSDは書き込み回数で寿命が決まっているからです。デフラグすればするほどSSDの寿命が短くなってしまいます。ちなみに長く使いたいなら「寿命を伸ばす!長く使える高性能なBTOパソコン」を知っておくのがおすすめです。