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パネル、Hz、応答速度から考える液晶モニターの選び方

液晶モニターにはたくさんの種類があります。サイズだけでなく性能やパネルの違いにも注目すべきです。そこで液晶モニターごとにどんな違いがあるのかを確認しつつ、おすすめの選び方をご紹介します。

液晶モニターの性能の見方

液晶モニターの性能にHzとmsといった単位が表示されています。これはPCゲーマーにとって、とても重要な数字です。まずは、このような単位が何を表しているか、説明したいと思います。

リフレッシュレート(Hz)

液晶モニターに表示される画面の更新頻度をリフレッシュレートと言います。

リフレッシュレートが60Hzの液晶モニターは、1秒間に60回画面が更新されます。最近のゲーミングモニターでは144Hzのものが主流になりつつあり、240Hzのものも登場しています。

当然Hzが高い方が滑らかに映像が表示されるので、臨場感が上がる上にFPSなどのゲームでは敵を狙いやすく有利になります。

ただし、Hzが高いということは、それだけ1秒間に作らなければならない画像が多くなるということで液晶モニターの性能を生かしきるにはそれに見合うだけのハイスペックPCが必要になります。対戦型FPSでは画面設定を下げてPCへの負荷を減らすことで、そこまでハイスペックではないPCでもHzを上げる人も多くいます。

応答速度

応答速度は、画面の色が「黒→白→黒」と変化するときにかかる時間です。「ms」という単位で表されます。(1msは1000分の1秒)

応答速度が5msの液晶モニターの場合、「黒→白→黒」と変化するときに5msの時間がかかることを意味します。ゲーム中には意識しづらいラグとして加算されるので、応答速度が少ない液晶モニターのほうがゲームに向いています。

中間階調応答速度GtG

応答速度には一般的な「黒→白→黒」以外に、「中間階調→中間階調」の時間を表すGtG(Grey to Grey)があります。

こちらも応答速度の一種なのでmsで表されますが、ゲーマーにとっては重要な値です。

実際の動画やゲームの画面では、単純な「黒→白→黒」の色変化が起こることは稀です。ほとんどの場合、中間階調から中間階調に変化します。

草の背景だった場所に赤帽子のキャラクターが現れるところをイメージしていただけるとわかりやすいかと思います。液晶モニターが黒→白ではなく緑→赤(中間諧調)に変化していますよね?そして、そのようなシーンの変化の方がゲーマーにとって重要になります。

そのため、ゲーム用の液晶モニターではGtGの応答速度の数値をしっかりチェックすることをオススメします。

オーバードライブ

オーバードライブは、中間階調の応答速度を高速化する技術です。

中間階調から中間階調に色を変えるときに、液晶分子にかける電圧の変化を大きくすることで応答速度を向上します。

階調に忠実な電圧をかけるよりも、速く目的の階調に到達することが出来ます。瞬間的には目的の階調を通り過ぎるレベルの電圧変化が発生しますが、数ms内での出来事なので人間の目には感じることはありません。

イメージとしては、車(電圧)を数メートル先の駐車エリア(目的の階調)に停車したいとき、最初に一気にアクセルを踏み込んで少しでも早くたどり着く感じです。

最初に加速しすぎたせいでエリアを通り過ぎてしまい、少しバックしてきれいに停めなおすことになりますがそれでも普通に駐車するよりは早く駐車完了するということです。

このオーバードライブの機能によって、GtGの速度を本来のパネルの能力よりも速くすることが可能になりました。

性能で選ぶならゲーミングモニターがおすすめ

応答速度も最近のゲーミングモニターでは高速な製品が主流になってきています。GtGが1msという超高速モニターも一般的な価格で販売されています。

ただし、メーカーや販売サイトによってはGtGは記載せず、応答速度だけを記載している製品もありますので、購入の際には製品情報をよく調べるか、PCパーツショップなどの詳しい店員さんが多い実店舗で確認しながら購入するようにしてください。

液晶パネルの選び方

パネルには大きく分けて3種類あります。TN方式、VA方式、IPS方式です。それぞれにメリットとデメリットがありますので、お好みや使用用途によって選択してください。

TN方式

メリット~安い、応答速度が速い

TN方式のパネルは製造コストが安いことが利点です。

そのため、144Hzなどの高機能モデルのゲーミングモニターでもTNパネル採用の製品なら、比較的安く購入することが出来ます。応答速度もパネルの特性上高速にしやすいため、1msの製品が手の届く価格で販売されています。

※TN方式は応答速度が速いのは事実ですが、それは画面の色が「黒→白→黒」と変化するときの話です。

実際のゲーム画面でよく起こるGtGとよばれる「中間階調→中間階調」に変化する速度は本来、あまり速くありません。しかし、最近のゲーミングモニターの世界ではオーバードライブ技術の進化によって、このGtGの高速化を実現した製品が多く出てきています。

TN方式のパネルを購入する際は、GtGの速度を確認するようにしてください。

デメリット~視野角が狭い

TN方式の短所は視野角が狭く、斜めから見た場合に色が変化してしまう点です。

基本的にはゲームをする際はデスクに座って、真正面から液晶モニターを見ることが多いと思います。なので、それほど視野角について気にする必要はありませんが、製品によっては少し角度が変わるだけで画面が暗くなってしまうものもあります。

大きめのサイズの液晶モニターを使いたい人や、デザイン用途にも併用したい方にはデメリットとなります。

VA方式

メリット~コントラスト比が高い

VA方式の大きなメリットは、黒色の再現度が高いことです。

偏光板でバックライトの光をほとんど遮断できるために、純粋な「黒」を表現することが出来ます。そのため、真っ暗な黒と白の明るさの差がつけやすく、コントラスト比の高い、メリハリの利いた映像を表示することが出来ます。

映画やアクションがシビアすぎないゲームをプレイすることが多く、映像の雰囲気を重視する方にオススメです。

デメリット~製品バラエティが少なめでTN方式より応答速度に劣り、IPSより視野角に劣る

製品によっては、TNに迫る応答速度やIPSに近い視野角を持つものもあります。しかし、どちらも完全に同じレベルにまで高めることは難しいため、大きな短所はないが、長所もない、といった製品が多くなります。

短所とも言い切れない部分ではありますが、用途がはっきりしている方には他の方式の方がオススメです。

IPS方式

メリット~視野角が広い

IPSパネルは視野角が広いのが長所です。

斜めの角度から見ても色の変化が非常に少ないので、大型の液晶モニターを予定している方や色にシビアな用途に併用しようとしている方にはオススメの方式になります。

近年人気の方式なので、価格が下がり、製品バラエティも多く、以前より随分購入しやすくなっています。各社様々な新機能を搭載した商品が多く、苦手分野の応答速度を補う機能のついた製品も販売されています。

デメリット~応答速度が遅い

応答速度を補う機能のついた製品が販売されているとはいえ、その多くは高級モデルに限定されています。また、機能により補っていてもTN方式のゲーミングモデルに比べるとやはり遅くなってしまうのがデメリットです。

通常使用ではオススメの方式ですが、FPSなどのシビアなゲーム用途の場合は残像感がどのくらいあるのかしっかりと確認して購入する必要があります。