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M2.SSDとは?種類と特徴を解説します

M2.SSDとは一般的にはSATAではなく、NVMe(PCI Express)での接続に対応したSSDのことです。※例外もあります

これまでの接続規格であるSATAはすでに進化するSSDの速度を生かしきれなくなっています。SATA接続の2.5インチSSDは500MB/s程度が限界とされてきましたが、M2.SSDではすでに2000MB/s以上の速度をたたき出しています。

PCIeカード型SSD

実はM2.SSDが登場する以前から、このような超高速SSDは存在していました。有名なのはIntelのPCIeカード型SSDシリーズで、PCIeスロットに差し込むタイプです。

ただし、このシリーズは400GBモデルで10万以上と非常に高価だったため、一部のプロユースの人たちの間でだけ使われていました。M2.SSDが話題になっている理由は、このPCIeカードに近い性能を持ちながらも、500GBで3万円以下という低価格化が進んだためです。

M2.SSDには2種類ある

最初に「※例外もあります」と注意書きしたのは、実は一言にM2.SSDと言っても、接続方法が異なるモデルが存在するためです。

M2.SSdには

  • SATA接続のM2.SSD
  • NVMe(PCI Express)接続のM2.SSD

の2種類があります。

M2とは本来mSATAと呼ばれるノートパソコン用のSATA規格の後継であるため、SATAでの接続のものも多く存在するのです。SATA接続のものはスロットや形状こそ違えど、速度は通常の2.5インチSSDと変わらないのでノートPCのようにすこしでもコンパクトにしたいという目的以外にはあまり意味がありません。(M2.SSDは非常に小さい)

対してNVMe接続のM2.SSDは、M2スロットを利用しつつも、超高速なPCI Expressで接続しているモデルです。NVMe接続のタイプはPCI Expressによる接続なので、2.5インチSSDより数倍高速になります。

見た目は同じですので、「これ容量の割に安い!」と飛びついてしまうと、SATA接続でガッカリ。という結果になりかねませんのでM2.SSD購入の際には容量と価格だけでなく、しっかり接続方式と転送速度をチェックするようにしてください。

また、M2.SSDを搭載するには、マザーボード側もNVMeに対応している必要があります。マザーボードによっては、M2スロットがついていてもSATA接続のみの対応であまり意味がなかった。という可能性もあるのでマザーボード側の対応規格にもしっかり目を通す必要があります。

PCIe接続にも実は2種類ある

高速なPCIe接続にも実は、NVMeとAHCIという2種類の規格が存在します。違いとしてはランダムリードとランダムライトの速度さです。

ランダムリード・ライトとは、複数のフォルダに別々に格納されているような、連続していないデータを読み書きすることです。NVMeの方がAHCIよりもランダム性能が大幅に高くなるため、MVMe接続のものを選択するのがオススメです。

M.2スロットがなくても使える

NVMe(PCIe)接続のM2.SSDは、変換アダプタを利用することで、PCIeスロットに接続することができるためM2スロットのないマザーボードでも使うことができます。SATA接続のM2.SSDは変換アダプタを利用しても接続出来ないので注意してください。

M.2 SSDのデメリット

発熱問題

超高速なM2.SSDですが、デメリットもあります。それは通常のSSDに比べて発熱が大きいことです。

SSDの温度が高くなりすぎると、故障の防止のため転送速度を落として発熱を抑えようとするため、データの読み書きが遅くなります。最近ではヒートシンク搭載モデルも多く発売されているので、価格差がそれほど大きくない場合はヒートシンク搭載モデルを購入する方が無難です。

システムドライブとして利用できない可能性も

意外に落とし穴になるのが、マザーボードがM2.SSDによるOS起動に対応していないという場合です。

最新モデルではめったにありませんが、M2.SSDスロットが採用されだした頃のマザーボードには存在します。超高速なSSDはOSのような頻繁にアクセスするものを格納してこそ真価を発揮するので、しっかり確認しておいてください。OSが通常のSATA接続のSSDで、データがM2.SSDという組み合わせでは、OS側の転送速度がネックになって、M2.SSDのメリットがなくなってしまいます。

で、実際のところどうなの?

ランダムリードはそれほど速くない

超高速なNVMe接続M2.SSDですが、2.5インチSSDと比べて、ランダムリードの実行速度はそれほど速いわけではありません。そのため、ランダムリードが頻繁に発生するOSデータの読み込み速度があまり変わらないので、体感するほどの差は出ないでしょう。

2.5インチSSDでも十分速い

また、SATA接続の2.5インチSSDでも現状すでに十分な速度を実現しているため、CPUやメモリといった他の部分がさらに進化しない限りそれほどM2.SSDが必要になる場面もないと思います。

少しでもコンパクトにしたい超薄型ノートPCや、動画のエンコードなどのシーケンシャル(連続した並びの)データを扱う作業の速度を重視する人以外に恩恵が薄く、しばらくはメインストリームになることはないでしょう。

そこまでこだわらないという方は、従来の2.5インチSSDで十分です。もし、「せっかくのPCだからこだわりたい」「価格的にそれほど差がなかったから」という場合には、今回の記事が参考になれば幸いです。