SSDは圧倒的な読み込み性能を持っています。ゲーマーならもちろん、ゲーム以外の要素でも大きな差がつきます。
個人的にSSDはゲーマーにとって必須だと思います。予算がない場合、CPUのスペックを一つ落としてでもSSDを購入した方がいいのではないかとさえ思います。
今回はSSDの読み込みに注目してSSDをご紹介したいと思います。
読み込みが速い
SSDの最大の長所はなんといっても読み込みの速さです。読み込みにはランダムリードとシーケンシャルリードというものがあります。このどちらにおいてもSSDは速いと言えます。
ランダムリード
あちらこちらのフォルダなどにバラバラに保存されているデータを読み込むことをランダムリードと言います。特にこのランダムリードでは、SSDの速さが光ります。
HDDはCDのように円盤にデータが保存されています。ヘッドと呼ばれる読み込み部分を動かして、離れた場所のデータを読み込む必要があるため、どうしても時間がかかってしまいます。
対して、SSDは物理的な可動部分がないため、別々に保存されたデータを読み込むのに時間がかかりません。
シーケンシャルリード
連続したデータの読み込みをシーケンシャルリードと言います。多くの場合、SSDの方が高速に読み込めます。
HDDも連続した場所にあるデータであれば、ヘッドを動かす必要はないため、ランダムリードに比べれば速くなりますがそれでもSSDの方が速くなります。これはSSDでのデータ転送をコントロールするコントローラが進化し、高速な転送方式に対応しているためです。
読み込み速度がもたらす恩恵
読み込み速度が速いと、具体的に何が良くなったと実感できるのかというと下記のような事例が挙げられます。
PCの起動が速くなる
OSのデータはランダムリードの宝庫です。起動時に必要な情報はあちこちのフォルダに格納され、それらを読み込まないと起動することができません。なので、SSDだと特にPCの起動が速くなります。
OSのバージョンや製品等にもよりますが、windows10の起動で、SSDなら20~30秒程度。HDDだと60~100秒ほどかかります。バージョンアップやソフトの導入、PC設定の変更などで頻繁に再起動することを考えると、大きな差であることがわかります。
ゲームの読み込みが速い
ゲームデータの保存にもSSDは効果的です。
一部のタイトルではHDDと差がないものもありますが、大抵の場合はSSDの方が40~60%ロードが高速になります。特に海外製のゲームではその傾向が強いのでないでしょうか。
私の実体験では、データが膨大で読み込みに時間がかかることで有名なFall Out4ではファストトラベルの際に、SSDでは8秒程度なのに対し、HDDでは30秒以上かかってしまいました。
今人気のバトルロワイヤルゲームのPUBGでも、パラシュートから降下した際にSSDでは即座に建物などのオブジェクトが表示され、すぐに中に入れるのに対し、HDDではオブジェクトの読み込みに10秒以上かかりるため、その間は建物に入ることができずSSDユーザーに建物内の武器を奪われて殺されてしまうこともありました。
あらゆる動作が速い
OSのバラバラに配置されたデータの読み込みが速いということは、そのOS上で行う全ての動作も速くなります。
何層ものフォルダの中にあるドキュメントを開く、画像データを複数選択して読み込む…etcこういった日常の動作でもSSDを搭載したPCはストレスなくキビキビと動いてくれます。
速度以外でSSDをおすすめする理由
SSDをオススメする理由は、読み込み速度以外にもたくさんあります。
騒音がない
HDDはディスクにデータを保存し、高速で回転させながら読み込むため、どうしても回転音がします。また、ヘッドの作動音であるカリカリという音も人によっては気になるかもしれません。
最近のHDDは技術の進歩により昔のものより動作音が大分抑えられているので、ゲーム中のように他に大きな音がある場合にはそれほど気になる音量ではありません。しかし、深夜に書類作成などの作業をする場合や、睡眠中に録画やエンコード等を行うように設定している場合には煩わしいと感じる程度にはあります。
対してSSDは駆動部分が存在しないため、全くの無音で動作します。
衝撃に強い
SSDでは駆動部分がないため、HDDに比べて衝撃に圧倒的に強くなります。
ノートPCのような持ち運び用途にはもちろんですが、デスクトップであってもアクセス中に、間違って蹴ってしまった、地震が起きた、といった場合にもSSDであればデータが喪失する可能性は非常に低くなります。
故障に強い
SSDは故障にも強いです。
HDDは高速でディスクを回転させ、読み込み用のヘッドも頻繁に動いています。その為、摩耗やズレを避けることはできません。また、高速な駆動部は熱を発生させるため、その熱自身がHDDの寿命を縮める原因になります。
小型で軽量
デスクトップ用の一般的なHDDは3.5インチサイズですが、SSDは2.5インチです。
そのためノートPCでは特にメリットが大きく、SSDへの移行が進んでいるわけですが、デスクトップであっても、mini-ITXなどの小型PCの場合は3.5インチベイが1つしかないケースも多くあります。
SSDなら駆動部分がなく振動を起こさないため、専用のベイが空いていなくても、隙間のスペースに入れることができます。
寿命は短くありません
SSDには書き込み容量制限があり、制限まで書き込んだ時点で寿命となります。そのためHDDに比べて寿命が短いと言われます。
確かに書き込み回数には制限があります。しかしながら、CrucialのMX300 275GBモデルを例にとるとその制限容量は約80,000GBです。頻繁に読み書きを繰り返すシステムドライブとして使用したと考え、1日あたり24GB書き込むと考えても3,333日…。毎日使い続けても約9.13年も持つことになります。
HDDが物理的な故障の可能性が高いことを考えると、SSDの寿命は決してHDDより短くないと言えます。
デメリットは価格だけ
そんな利点だらけのSSDですが、価格が高いことだけがネックです。2TBモデル同士で比較すると、1GB当たりの価格ではSSDが約32円。HDDは3.25円と10倍近い差があります。
SSDは成長分野の製品であり、大容量・低価格化の技術が開発中です。予算的に高容量のSSDが厳しい場合には、120~300GB程度の容量のものを購入しシステムドライブとしてHDDをデータドライブとして利用し、SSDの値下がりを待つのも手です。