パソコンで何かしたいことがあるなら、必ず動作環境を確認しましょう。ゲームやソフトウェアには必ず最低動作環境や推奨スペックがあり、それを満たした性能のパソコンでないと起動しなかったり快適に動作しなかったりします。
でもパソコンにある程度詳しくないと、動作環境の意味を理解できません。そこでソフトウェアやゲームの動作環境の見方や確認方法をご紹介します。
動作環境の種類
PCゲームの場合はいくつかの動作環境が掲載されている場合があります。例えば以下のような種類です。
- 必要動作環境(最低動作環境)
- 推奨動作環境(推奨スペック)
- 4K動作環境
- ウルトラ画質動作環境
必要動作環境は最低限動かせるスペックです。あくまでも「起動できる」レベルでしかないので、快適には程遠いです。ゲームを滑らかに動作させたいなら参考にすべきではありません。
多くのゲームはきちんと推奨スペックを記載しています。推奨スペックは「快適に遊べる」ことを基準にしているため、最も参考になる情報です。ただ、標準画質で快適なのか、それとも高画質で快適なのは、あるいは60fps出せるのか144fps出せるのかまではわかりません。推奨スペックよりもワンランク高性能なBTOパソコンを選ぶのがコツです。
4K動作環境は読んでそのまま「4K解像度で遊べる」基準です。現在の主流はフルHD、つまり1920×1080の解像度です。推奨スペックも1920×1080を前提としています。
しかしいくつかのゲームは4K(3840×2160)の解像度まで対応していて、より高画質でゲームを楽しめます。その分、劇的に重くなるためハイスペックなゲーミングPCが欠かせません。
ウルトラ画質動作環境や最高画質動作環境等が指定されているゲームは稀です。最高画質で楽しむためにはどれくらいのパソコンを選べばいいのかがわかります。画質にこだわるならこういう情報を探しましょう。
パーツ別動作環境の見方
では具体的に各パーツの動作環境の見方を解説します。ここでは以下のような動作環境を想定して話を進めます。
OS | Windows 7 SP1、Windows 8.1、Windows 10 64bit |
CPU | INTEL Core i7-3770 |
グラフィックボード | NVIDIA GeForce GTX 1060 6GB |
メモリ | 16GB |
ハードディスク | 100GB |
DirectX | DirectX11 |
OS
OSはバージョンとbitに注目しましょう。大抵の場合最新のOSを使っていれば問題ありません。ただし極稀に最新OSに対応していないソフトウェアがあるのできちんと確認したほうがいいです。未だにWindows10に対応していないソフトウェアが少しですが存在しています。
bitに関しては32bitと64bitがあり、今の主流は64bitです。今時のゲームなら64bit OSを推奨しています。新しくBTOパソコンを買う際にも32bitは選べないと思います。64bitにしておけば大丈夫です。
CPU
CPU動作環境の見方がもっとも複雑でわかりにくいです。見るべきポイントはコア数・スレッド数と動作周波数です。例えばCore i7-3770は4コア・8スレッドです。これより少ないコア数・スレッド数では動作環境を満たしていないことになります。
CPUの世代によってコア数・スレッド数は変わってくるのですが、Core i7が推奨されているならCore i7を選ぶのがおすすめです。Core i5が推奨されているならCore i5かCore i7ですね。
動作周波数はターボブースト最大時の数値を見ましょう。例えばCore i7-3770なら最大3.9GHzです。もっと新しい世代のCore i7-8700Kなら最大4.7GHzです。CPUの型番を調べれば動作周波数(クロック)の情報はすぐに見つかります。
グラフィックボード
ゲームをするにはグラフィックボードの性能が最重要です。見方はちょっと難しいのですが型番とビデオメモリを参考にするのが手早いです。
GeForce GTX1060が推奨されている場合、GTX1060以上を選べばいいことはわかります。GTX1070やGTX1080ですね。数値が大きい方が高性能な傾向があります。
でも古い世代のGTX970が推奨されている場合はちょっと複雑です。GTX970とGTX1050を比べると数字は大きくなっていますが、性能はGTX970のほうが上です。簡単に理解するコツは二桁目を見ることです。
GTX970ならGTX1070が後継機となります。そしてGTX1050はGTX950の後継機ですから、GTX950はそもそもGTX970より遥かに低性能です。GTX1050になってもまだGTX970には及びません。
つまりGTX970が動作環境になっているなら最新世代の70番代を選ぶのが正解です。GTX1070とかですね。
型番以外に見るべきなのがビデオメモリです。どのグラフィックボードにもビデオメモリという要素があります。例えばGTX1060には3GB版と6GB版があります。ビデオメモリが4GB以上推奨されているなら、同然GTX1060 6GBを選ぶ必要があります。
メモリ
メモリはシンプルです。動作環境よりも多いメモリを搭載すればいいだけです。メモリには規格があり、それぞれ速度が異なるのですが、そこまで細かく指定した動作環境は見たことがないので、気にしなくて問題ないでしょう。今ならメモリ16GB搭載しておけばなんでもできます。
ハードディスク
ソフトウェアやゲームの容量は年々増加しています。数年前ですら1つのゲームが50GBものファイルサイズになっていました。最新ゲームだと100GBを越えるものもあります。
当然ソフトウェアやゲーム以外にもたくさんのプログラムをインストールするのですから、ストレージの空き容量にはたっぷり余裕をもたせることをおすすめします。空き容量が足りなくてアップデート不能なんてことになると非常に面倒です。
DirectX
あまり気にする必要はありませんがDirectXの見方についても解説しておきます。今だとDirectXのバージョンは9、11、12の3種類だと思います。
新しいグラフィックボードさえ使っておけばどのバージョンにも対応しています。古いグラフィックボードだと最新のDirectX12にんは対応しないことがあるので、できるだけ最新グラフィックボードを選ぶようにしてください。
またDirectX12はWindows10でしか動作しません。Windows7だと駄目なので、やはり最新OSを使うことが肝心です。DirectX12のゲームはまだ少ないですが、今後増えてくることは間違いありません。
ちなみにソフトウェアによってはDirectXではなくOpenGLの場合があります。GeForceでもOpenGLを動かすことは可能です。ただ、CADのような専門性の高いソフトウェアの場合はQuadroというグラフィックボードに限定されることがあります。
このように動作環境を1つずつ調べていけば、おのずと自分が購入すべきBTOパソコンが見えてくるはずです。