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グラフィックカードボックスでノートパソコンのグラフィック性能をアップ

最近のゲームはグラフィックもキレイですが、その分グラフィック処理能力が要求されます。CPUに内蔵されたGPUも性能が上がっており、ちょっとしたゲームなら十分こなせてしまいます。しかし本格的な3Dゲームにはまだまだ力不足です。そこでグラフィックカードを外付けで接続できるグラフィックカードボックスというものがあります。

グラフィックカードボックスとは

グラフィックカードボックスとは、デスクトップ用のグラフィックカードを外付けで接続するための拡張ボックスです。これまでもグラフィックカードを外付けにするというアイデアはたくさんありましたが、データ転送の帯域が圧倒的に不足していたことから実現には程遠いものでした。

しかし新たにThunderbolt 3という規格が登場したことで、外付けグラフィックカードは実現可能なものとなりました。Thunderbolt 3は1秒間に最大40Gbpsというスピードでデータを転送することができます。

グラフィックカードボックスは、外付けハードディスクのような感覚で使用できます。ボックスの中にグラフィックカードをセットして、パソコンとボックスはThunderbolt 3ケーブルで接続します。Thunderbolt 3ケーブルはUSB Type-Cと同じ形状のコネクタですが、別物なので注意が必要です。しっかりとThunderbolt 3に対応しているケーブルを使用するようにしてください。

グラフィックカードボックスの注意点

グラフィックカードボックスの注意点として2点あります。

ひとつはグラフィックカードボックスは、デスクトップ用のグラフィックカードを使用しますが、100%の性能を発揮させることはできません。PCI-Express接続のネイティブ環境ではないため、メモリの転送帯域の不足によるものが大きく影響しています。グラフィックカードボックスはCPUの性能にも大きく左右されますが、おおよそのパフォーマンスは搭載されているグラフィックカードの60%~80%程度です。

もうひとつはThunderbolt 3で接続する必要があるという点です。Thunderbolt 3はUSB Type-Cのコネクタ形状ですが、USB 3.1とは規格が異なります。Thunderbolt 3は40Gbpsで転送できるのに対して、USB 3.1は10Gbpsまでしか転送できません。グラフィックカードのデータ量は凄まじいものですので、Thunderbolt 3でなければ正常に動作させることはできません。そして残念なことにThunderbolt 3のType-Cコネクタを持っているノートパソコンは多くはありません。

グラフィックカードボックスの性能

グラフィックカードボックスでのパフォーマンスは、デスクトップに搭載した場合に比べて60%~80%になります。グラフィックカードボックスはデータの転送にCPUのパワーを大きく使用します。グラフィックカードボックスを使用しているとCPU使用率が100%になる程です。

グラフィックカードの性能が高ければ高いほど、落ちるパフォーマンスの割合は大きくなります。GTX 1050で80%ほど、GTX 1060で70%、GTX 1080では60%前後のパフォーマンスしか発揮することはできません。

Thunderbolt 3は高速なインターフェースですが、それでもPCI-Expressのx16のデータ転送帯域には遠く及びません。x4ほどのデータ転送帯域しかないため、より上位のグラフィックカードほど帯域不足となりパフォーマンスが活かすことができません。

それでもグラフィック処理能力の非力なノートパソコンや、省スペースパソコンにとってグラフィックカードボックスは強力なデバイスです。使用しないときは取り外して省スペースや軽量さの利便性を活かし、腰を据えてゲームをしたいときに接続するという使い方も可能です。

Thunderbolt 3に対応していることや、パソコンの利用状況や生活スタイルを選びはしますが、ゲームスタイルのひとつとして十分選択肢に入ることができる面白いデバイスではないでしょうか。