家の無線ルーターやポータブルWi-Fiなどで、Wi-Fiセキュリティのためにパスワードの設定をしたことがある人もいるでしょう。このWi-Fiのセキュリティ方式にはいくつか種類があり、それぞれどう違うのかをはっきりと理解していないまま設定してしまってはいませんか?Wi-Fiのセキュリティ方式の種類について少し説明しましょう。
Wi-Fiセキュリティ方式の種類について
Wi-Fiのセキュリティ方式は3つあります。登場した順番に紹介したいと思います。
WEP(Wired Equivalent Privacy)
WEPはウェップと読むことが多いです。WEPには64ビット、128ビット、256ビットの3種類があり、ビット数が多ければ多いほど、セキュリティも高くなります。しかしWEPは発表当初からセキュリティ上の欠陥が多く発見され続けてきました。近年コンピュータの性能が飛躍的に向上している中、WEPのパスワードはものの数分で解読されてしまいます。
WPA(Wi-Fi Protected Access)
WPAはダブリュピーエーと読むことが多いですが、まれにウパと読む人もいます。WPAはWEPの欠点を踏まえ、256ビットのキーを採用しています。WPS(Wi-Fi Protected Setup)という仕組みが実装されたことによって、Wi-Fiルーターと接続デバイスとの接続が簡単にできるようにもなりました。しかしWPAにも多くの脆弱性が発見され、攻撃者のターゲットとなってしまいました。
WPA2(Wi-Fi Protected Access Version2)
WPA2は2006年からWPAからとって代わられるようになります。AES(Advanced Encryption Standard)という暗号化アルゴリズムを必ず使用することで、従来のWPAよりもセキュリティ性を高めています。WPA2は最近まで長らく脆弱性の見つからないままWi-Fiのセキュリティとしては最高のパフォーマンスを発揮してきましたが、2017年10月に複数の脆弱性が発見されました。
一番良いのはどのセキュリティ方式?
WEP、WPAそしてWPA2のセキュリティ方式がありますが、セキュリティ的に一番堅牢なのはWPA2です。しかしそんなWPA2にも脆弱性が発見され、この脆弱性を悪用された場合、通信内容を盗聴されてしまう可能性があります。
無線LANのルーターや、接続するパソコンのセキュリティアップデートがある場合は必ず適用してください。そのうえでWPA2セキュリティをかけること、そしてパスワードも安易ではないものを設定するようにしましょう。
安易なパスワード設定は非常に危険
Wi-Fiが出始めたころはセキュリティの意識も今よりもずっと低く、パスワードすらかかっていないWi-Fiネットワークがあちこちにありました。ネットワークに入られるということは、悪意あるユーザーに対して丸裸で家に迎え入れるようなものです(ある意味で侵入者を不安にさせるかもしれませんが)。
ネットワークに入られてしまうと、パソコンを乗っ取られたり、ウイルスを拡散させてしまうこともあり得ます。誰しもインターネットなどの外部のネットワークに対しては、それなりに気を配ってセキュリティを保ってはいますが、内部のネットワークは原則信頼されたネットワークなので、セキュリティは脆弱な場合がほとんどです。
セキュリティ方式やパスワードは決して安易に考えないでください。パスワードは推測されやすいものや短すぎるものは避けましょう。アルファベットの大文字と小文字、さらに数字と記号をすべて混ぜて8桁以上のパスワードが強固と言われています。もし自宅の無線ルーターで気になった点があれば、あらためて設定を見直すいい機会かもしれません。