NVIDIAのグラフィックボードといえばGeForceが真っ先に思いつくと思います。NVIDIAにはもう一つQuadroというチップシリーズを持っています。ここではGeForceとQuadroの違いについて解説したいと思います。
GeForceはNVIDIAは作らない
まず一般のゲームに使われるGeForceのグラフィックボードですが、NVIDIAはGeForceのチップを作っていますが、グラフィックボードを作ってはいません。GeForceチップを搭載したグラフィックボードは、チップの提供を受けているサードパーティメーカーが製造します。
そのためメーカーによって独自の仕様にカスタマイズすることも可能で、パフォーマンスや価格もまちまちです。もちろん競争が生まれるため、ユーザーにとっては、より良いものが低価格で手に入る可能性が高まりますので、メリットも多いのです。
Quadroは動画編集などの業務用チップ
Quadroはおもに動画編集や高度画像処理など専門的な用途に使われるグラフィックボードです。ワークステーションと呼ばれる開発業務用のパソコンに搭載されることが多いのがQuadroの特徴です。
Quadroの型番の頭文字のアルファベットは世代を表しており、Quadro M6000のMはMaxwell世代、Quadro GP100やP6000のPはPascal世代というように使用しているアーキテクチャーがわかります。
GeForceに比べてQuadroはよりハイエンドなスペックになっており、価格もGeForceとは比べ物にならないほど高価です。GeForceではハイエンドのグラフィックボードでも10万円ほどですが、Quadroではその10倍の100万円ものもあります。
Quadroグラフィックボードのラインナップ
Quadroのグラフィックボードは認定パートナーからのみ購入することができます。業務用途メインですので、大手電機メーカーやベンダーからの購入になります。
現行のPascal世代のQuadroでのグラフィックボードは4種類です。
Quadro P4000
- CUDAコア数:1792基
- GPUメモリー:8GB GDDR5
- FP32パフォーマンス:5.3TFLOPS
- バス:PCI Express 3.0 x16
- 接続端子:DP1.4 x4
- TDP:105W
- 価格:899ドル
Quadro P5000
- CUDAコア数:2560基
- GPUメモリー:16GB GDDR5
- FP32パフォーマンス:8.9TFLOPS
- バス:PCI Express 3.0 x16
- 接続端子:DP1.4 x4、DVI-D x1
- TDP:180W
- 価格:1999ドル
Quadro P6000
- CUDAコア数:3840基
- GPUメモリー:24GB GDDR5
- FP32パフォーマンス:12TFLOPS
- バス:PCI Express 3.0 x16
- 接続端子:DP1.4 x4、DVI-D x1
- TDP:250W
- 価格:4999ドル
Quadro GP100
- CUDAコア数:3584基
- GPUメモリー:16GB HBM2
- FP16パフォーマンス:20.7TFLOPS
- FP32パフォーマンス:10.3TFLOPS
- FP64パフォーマンス:5.2TFLOPS
- バス:PCI Express 3.0 x16
- 接続端子:DP1.4 x4、DVI-D x1
- TDP:235W
- 価格:6999ドル