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CPUに重大な脆弱性が発覚、「メルトダウン」と「スペクター」で大きな騒動に

2018年の頭からコンピュータ業界を震撼させている問題があります。コンピュータには必要不可欠であるパーツの一つCPUに、重大な脆弱性「メルトダウン」と「スペクター」が明らかになったためです。影響する範囲は恐ろしく広く、コンピュータを利用するすべての人に関係のある問題となっています。

いったい何が起こっているのか

ことの発端は「インテルのCPUの設計上に重大な欠陥があり、その欠陥によって機密情報が盗み取られる可能性がある」という情報が海外のニュースサイトやメディアによって発表されたことに始まります。インテルはこれを受けインテルは声明を発表し、この問題が事実であることを認めました。

発覚した問題は2つ。1995年以降ほぼすべてのインテル製のCPUに対して設計上の欠陥である「メルトダウン」、インテルだけでなく現代のマイクロプロセッサーすべてに関係する脆弱性である「スペクター」の2つです。

「メルトダウン」はインテルが20年以上も抱えていた脆弱性です。インテルはこれに対し過去5年間に発売されたすべてのCPUに対して対策アップデートをリリースすると発表しています。

「スペクター」はインテルだけでなく、AMDやAppleといったマイクロプロセッサーに関わるすべてに影響する脆弱性です。アプリケーション間で本来読み取ることのできないメモリ領域を盗み取れてしまう脆弱性で、ログイン情報やクレジットカード情報や口座情報などが盗み取られる可能性があります。

問題は対策によって性能がダウンする可能性

問題が大きくなっているのは脆弱性が見つかったCPUの多さだけではありません。「メルトダウン」の脆弱性への対策を行うためのアップデートには「CPUのパフォーマンスダウンが不可避である」という点です。

インテルは下記の6つのCPUの環境でのベンチマーク結果を発表しています。その報告によるとおこなわれたベンチマークはSYSMARK 2014 SE、PCMark 10、3DMark Sky Diver、WebXPRT 2015の4つです。

  • 第8世代デスクトップ向けプロセッサ Intel Core i7 8700K(Cofee Lake)/Windows 10/SSD
  • 第8世代モバイル向けプロセッサ Intel Core i7-8650U(Kaby Lake)/Windows 10/SSD
  • 第7世代モバイル向けプロセッサ Intel Core i7 7920HQ(Kaby Lake)/Windows 10/SSD
  • 第6世代デスクトップ向けプロセッサ Intel Core i7 6700K(Skylake)/Windows 10/SSD
  • 第6世代デスクトップ向けプロセッサ Intel Core i7 6700K(Skylake)/Windows 7/SSD
  • 第6世代デスクトップ向けプロセッサ Intel Core i7 6700K(Skylake)/Windows 7/HDD

結果はいずれもアップデートを行う前よりも5%から10%の性能低下がみられました。その差は少ないとはいえパフォーマンスが下がることには違いありません。

ユーザーは何をすればよいのか?

この問題に対応するために私たちユーザーができることは4つです。まずは「OSのアップデート」です。Windowsアップデートから正しいアップデートパッチを適用しましょう。自動更新が有効になっていれば自動で適用される緊急アップデート「KB4056892」がリリースされています。

そしてこの機会に「ファームウェアの更新をチェック」しましょう。ファームウェアは必要に応じて常にアップデートされています。ハードウェアの機能追加だけでなく脆弱性への対策や性能の向上のためにもなりますので、使っているハードウェアの新しいファームウェアが無いかを一度チェックすることをオススメします。

次に「ブラウザの更新」です。攻撃は常にインターネットからやってきます。インターネットとのゲートウェイになるブラウザの更新を怠るべきではありません。使っているブラウザの更新をしていないのであればすぐに更新することをオススメします。

最後に「アンチウイルスソフトを使う」ことです。まさか自分がと思っていませんか?ウイルスに感染してしまうことで、そこからさらに感染が広がり、あなた自身がが攻撃者になることもあることを認識してください。ウイルスの対策はパソコンを利用するすべてのユーザーがするべきことであることを認識してください。