音楽や動画、写真など複数のデバイスから参照するようなものは、NASに入れておくと非常に便利です。そんなNAS用のハードディスクの選び方のポイントを解説します。
NAS向けハードディスクとは
NAS向けのハードディスクは、一般のパソコン向けハードディスクとは、少し設計が違います。
パソコンで24時間ずっとハードディスクに読み書きが発生しつづけることはあまりありませんが、NASの場合はそういった可能性も十分にありえます。NAS向けのハードディスクは、一般向けのハードディスクよりも振動や熱なども含めて耐久性が求められます。
またNASではRAID構成が組まれることがほとんどですので、NAS向けのハードディスクにはRAID設定専用のファームウェアが用意されていることもあります。
見た目ではその違いはわかりませんが、「NAS向け」として販売されているハードディスクには、しっかりと理由があってNAS向けになっているのがおわかりいただけるでしょうか。
販売されているNAS向けハードディスク
では実際にNAS向けとして販売されているハードディスクを紹介します。
Seagate 「IronWolf」
SeagateのNAS向けハードディスク「IronWolf」です。NAS向け専用のAgileArrayが搭載されています。10TBで63,800円前後です。
Western Digital 「WD Red」
NAS向けのハードディスクの中でももっとも人気があるのが、Western Digitalの「WD Red」です。NAS向けとして設計され、NASware 3.0テクノロジーを搭載しています。10TBで42,200円前後です。
HGST 「Deskstar NAS」
HGSTの「Deskstar NAS」です。NAS向けハードディスクとして、回転振動センサーを搭載しており、高い信頼性を持ったハードディスクです。10TBで39,800円前後です。
NASにはNAS向けハードディスクがベター
NASだからといって必ずNAS向けハードディスクでならなければいけない理由はありません。もちろん一般のパソコン向けハードディスクでも問題なくNASに組み込むことができます。
単純に容量と価格だけのコストパフォーマンスで考えれば、圧倒的にNAS向けハードディスクは不利です。ハードディスクの1TBあたりの価格もだいぶさがっては来ましたが、それでもNASのように大量のデータを保存、かつRAIDのようなデータ保護構成を組むのであれば、大容量のハードディスクを2つや4つ用意する必要があります。ハードディスク1台で15,000円としてもRAID5を組むのであれば最低4台必要になりますので、6万円がハードディスク代としてかかってしまいます。
しかしNASに大切な思い出の写真やデータを保存しておくのであれば、そのデータの価値はお金には表せないほど価値である場合もあるでしょう。
NAS向けのハードディスクはここ数年でしっかりと進歩しています。エラーや故障から自己保護や修復を行うテクノロジーも登場しています。少しでも大切なデータを失ってしまうリスクを下げるためにも、NAS向けのハードディスクを採用することを考えてみてください。