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CPUのオーバークロックのための基礎知識

一般的にオーバークロックといえばCPUのオーバークロックを指すことが多い。ここではそのCPUのオーバークロックをする前に抑えておきたい知識とポイントを解説したいと思います。

オーバークロックとはリミッター解除

CPUの性能は3.5GHzや4.0GHzといったように周波数で表されます。これはCPUが1秒間に行う作業スピードで、3.5GHzであれば1秒間に35億回、4.0GHzであれば40億回のペースで作業します。ですのでこのクロック数がCPUの処理スピードをそのまま表現しているのです。

クロック数というのは、定格といってメーカーがあらかじめCPUの設計上安定動作するラインで定められており、これを定格クロックといいます。オーバークロックとはこの定格以上のクロック数でCPUを動かすことを言います。CPUの本来の能力限界は定格よりも高いものですが、常に能力限界で動かしているとCPUへの負荷も高く、故障の原因になる可能性が高まります。そのためメーカーは一定の余裕を持たせて定格を設定しているのです。

CPUのオーバークロックはマザーボードのBIOSから設定する方法と、使用しているマザーボードのメーカーが提供しているアプリケーションを使う方法があります。アプリケーションはマザーボードによっては提供されていない場合や、対応していない場合もあります。

ベースクロックとクロック倍率

CPUにはベースクロックとクロック倍率があります。最終的なCPUのクロック数は、ベースクロックにクロック倍率を掛けた数値になります。

ベースクロックとはCPUだけでなくメモリやPCI-Expressバスとも関係があり、マザーボード上のハードウェア同士の通信速度です。クロック倍率はCPU独自の機能です。CPU内部にはクロックダブラーというクロック数を整数倍する装置が実装されており、その装置を使って最終的なクロック数を高めています。

オーバークロックをするためにはこのベースクロックを変更するか、クロック倍率を変更するかになります。

最近のインテルCPUに搭載されているターボブーストテクノロジーや、スピードステップテクノロジーはクロック倍率を調節しています。どちらも自動で調節されるためユーザーがクロック倍率を指定することはできませんし、定格クロックを超えることはありません。オーバークロックはクロック倍率を指定することも、定格クロックを超えることも可能です。

オーバークロックのリスクについて

オーバークロックは設定次第では、一切お金を使わずともパソコンの性能を上げることが可能です。伸びしろはCPUの型番だけでなく、同じロットの個体でさえ個体差があります。

しかしオーバークロックをするということは、それだけCPUに負荷を増やすため寿命を縮めてしまう可能性が高いということです。またオーバークロックによって増えた発熱量を十分に冷却するCPUクーラーの冷却能力も必要です。

いずれにしてもオーバークロックという行為は完全にメーカーの保証範囲外の行為であり、一切のサポートを受けられなくなるため、すべては自己責任になるという点だけは重々承知しておいてください。