※当ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。

メモリのオーバークロックのための基礎知識

オーバークロックはCPUやグラフィックカードだけではありません。クロックによって動作するメモリもオーバークロックが可能です。メモリのオーバークロックについての概要と効果について解説したいと思います。

メモリのオーバークロック

メモリもCPUやグラフィックカードと同じく外部のバスから供給されるベースクロックを基準として動作します。メモリはCPUとベースクロックを共有しています。そのため通常は、CPUのベースクロックを変更するとメモリのベースクロックも同時に変更されるようになっています。CPUをオーバークロックしていた人は無意識にメモリのオーバークロックをしていたかもしれませんね。

これまではCPUとメモリのクロック数が関係していたため、メモリのみをオーバークロックするにはCPUとメモリのクロック倍率の比率を調節したりとハードルが高く、上級者しかメモリのオーバークロックが難しい状況でした。しかしインテル系のマザーボードに搭載されることになった「XMP」と呼ばれる機能が登場したことにより、以前に比べてメモリをオーバークロックのは簡単になりました。XMPとはExtreme Memory Profileの略で、インテルが開発したメモリ用のオーバークロック機能です。この機能を使うことで、あらかじめ設定されたいくつかのメモリクロックプロファイルを選ぶだけで簡単にオーバークロックができるようになりました。

XMPに対応したマザーボードと、XMPに対応したSPDが用意されたメモリの組み合わせで、XMPオーバークロックが可能です。マザーボードのBIOSからXMP機能を有効にすると、メモリのSPDにあらかじめ用意されたクロック倍率のプロファイルがリストされます。そこから動作させたいプロファイルを選ぶだけでメモリがオーバークロックされた状態で動作させることができます。もちろんですが、オーバークロックはすべて自己責任になります。用意されたプロファイルだからといって確実に動作し、故障しないという保証はまったくありませんので注意してください。

メモリをオーバークロックするとどれくらい違う?

メモリのオーバークロックはあまりパフォーマンスに影響しないといわれることが多いです。では実際にメモリのオーバークロックによってどれほどの差が出るのかチェックしてみましょう。

テスト環境

  • CPU : Intel Core i7 7700K
  • M/B : ASUS MAXIMUS XI CODE
  • MEMORY : G.SKILL TRIDENTZ DDR4-3600
  • GPU : GeForce GTX 1080 Ti
  • SSD : KINGSTON KC400 1TB SSD

DEUS EX : Mankind Divided 1920×1080 DX11 ULTRA

  • DDR4-3600 : 平均105.8fps / 最小82.0fps
  • DDR4-3200 : 平均104fps / 最小80.8fps
  • DDR4-2666 : 平均102.7fps / 最小80.0fps
  • DDR4-2133 : 平均103fps / 最小74.2fps

DEUS EX : Mankind Divided 1920×1080 DX12 ULTRA

  • DDR4-3600 : 平均107.1fps / 最小83.3fps
  • DDR4-3200 : 平均106.7fps / 最小82.6fps
  • DDR4-2666 : 平均107.1fps / 最小83.0fps
  • DDR4-2133 : 平均107.4fps / 最小82.9fps

Rise of The Tomb Raider 1920×1080 DX11 VERY HIGH

  • DDR4-3600 : 平均175.5fps / 最小98.1fps
  • DDR4-3200 : 平均173.5fps / 最小96.4fps
  • DDR4-2666 : 平均163.1fps / 最小86.3fps
  • DDR4-2133 : 平均153.3fps / 最小76.1fps

Rise of The Tomb Raider 1920×1080 DX12 VERY HIGH

  • DDR4-3600 : 平均183.0fps / 最小104.8fps
  • DDR4-3200 : 平均184.2fps / 最小104.4fps
  • DDR4-2666 : 平均172.3fps / 最小84.0fps
  • DDR4-2133 : 平均162.6fps / 最小86.2fps

CPUやグラフィックカードのオーバークロックに比べると効果は薄い

メモリのオーバークロックによってパフォーマンスが向上するかどうかは、ボトルネックがどこで起きているかによって違います。ゲームのタイトルによってもメモリのクロック数によって大きく差が出るものと出ないものに分かれます。

ここに2133MHzと各クロックでのパフォーマンスの比較があります。

  • DDR4-3600 : 104.7%
  • DDR4-3200 : 104.0%
  • DDR4-2666 : 102.2%
  • DDR4-2133 : 100.0%

CPUやグラフィックカードのオーバークロックに比べ、パフォーマンスの伸びしろは少ないのは確かです。しかし伸びしろがあるのも確かです。環境によってはfpsの下限が向上するため、動作が安定しているように感じるようになるはずです。しかしオーバークロックには必ずリスクが伴いますので、必ず自己責任で行わなければならないことを注意してください。