パソコンにはIntelやAMDといったメーカーが開発したCPUが搭載されています。スマートフォンもサイズこそ小さいものの一つのパソコンのようなものです。もちろんスマートフォンにもCPUが搭載されています。ここではスマートフォンに搭載されているCPUについて紹介したいと思います。
スマートフォンは小さなパソコン
iPhoneやAndroid、メーカーやモデルなど多くのスマートフォンがありますが、どれも中身はパソコンのようにCPUとメモリ、ストレージが入っています。ですがパソコンほどスペースに余裕がありませんし、パーツの交換をする必要がないため、あらかじめ全てのパーツを一つの基盤の上に組み込まれています。
パソコンと違うのはサイズだけではありません。スマートフォンで使われているCPUなどはパソコンとはまったく違うメーカーが作っている場合がほとんどです。組み込み系と分類されるパーツの開発を得意としているメーカーが作っています。
スマートフォン向けのCPUはARM系かApple
パソコンのCPUでおなじみのIntelですが、現在はスマートフォン向けのCPUは開発していません。以前はIntelもスマートフォン向けのCPUを開発していましたが、2016年ごろに撤退しています。そのため現在のスマートフォン向けのCPUの主要メーカーはARMとAppleになります。AppleはiPhoneのCPUを作っていますし、Androidには搭載されることはありません。AndroidであればほとんどがARM、iPhoneであればAppleが100%開発しています。
ARMは最近になってソフトバンクが買収したということで、名前を聞いたことがあるかもしれません。しかしスマートフォンのカタログをみてもARMという文字がほとんど見たことがないでしょう。なぜならARM自身はCPUをリリースしていないためです。
ARMは組み込みCPUの半分以上のシェアを占めていわれますが、これはARMアーキテクチャが仕様されたCPUということです。つまりARMは技術開発のみで、実際のCPUはARMから技術提供を受けていろんなメーカーがARM系としてCPUを作っているというわけです。
ARM系御三家Snapdragon、Tegra、Exynos
スマートフォンのカタログに記載されているCPUの名前を見ると、その多くがクァルコム(Qualcomm)社のSnapdragonというCPUでしょう。これはクァルコム社がARMのアーキテクチャを利用し開発したCPUです。現在のスマートフォンの多くにこのSnapdragonが使われています。
他にもNVIDIAが開発したTegra、サムスンが開発したExynosがあります。いずれもARM系とよばれ、ARMアーキテクチャを利用しています。スマートフォンのCPUは計算処理だけでなく、グラフィックス処理も同時に行うため、各メーカー独自のアーキテクチャと組み合わされて、最終的に一つのCPUになります。
これに対してiPhoneは独自にCPUを設計・開発してApple Aプロセッサーを作っています。これはiPhoneにのみ搭載され、Androidに提供されることもありません。
このようにARMという名前はほとんどの方が聞いたこともない会社だったはずです。しかしARMは組み込みCPU市場のほとんどを占める超がつくほどの大企業です。それをソフトバンクが買収したというのですから、ARMを知っている人であれば驚いたでしょうね。