パソコンをネットワークに繋ぐときに使うLANケーブルですが、ほとんどの人がLANケーブルの違いを意識せずに使っているでしょう。しかしLANケーブルも正しく使っていないと速度が遅くなってしまったり、繋がらないということにもなります。それではLANケーブルの種類や注意点について説明しましょう。
LANケーブルとは?
LANケーブルはイーサネットケーブルとも呼びます。どちらの呼び方でも良いですが、LANケーブルの方が一般的です。コンピュータの世界で機器間で通信を行うために使います。
一番身近なところではパソコンを有線でインターネットにつなぐために使用します。インターネットは世界中のパソコンが一つのネットワークを作っています。そのためインターネットに繋ぐためのLANケーブルも規格化されて同じものが使われています。
LANケーブルは1本のケーブルに見えますが、ケーブルの中には銅線が8本通っています。LANケーブルのコネクタを正面からよく見ると8本の銅線の終端が見えるはずです。
LANケーブルの種類
LANケーブルにはバージョンがあり、カテゴリー(Category)と呼び、Catと略されることが多いです。現在はカテゴリー1からカテゴリー7まで規格化されていて、主に使用されているのはカテゴリー5以降になります。カテゴリーによって
カテゴリー5(Cat5)
カテゴリー5はCat5とも呼びます。これは今となっては古いタイプのLANケーブルです。10Mbpsと100Mbpsをサポートする設計ですので、1Gbpsのギガビット通信の速度は保証されません。すでに新品で店頭に並んでいることは無いと思いますが、いつからあるか分からないようなLANケーブルで速度が遅い場合はカテゴリー5の可能性もあります。
エンハンスドカテゴリー5(Cat5e)
エンハンスドカテゴリー5はCat5eとも呼ばれ、Cat5の改良版といえるでしょう。Cat5に1Gbpsのギガビット通信をサポートするように設計されています。正式にサポートされたことで、Cat5よりも速度や信頼性が向上しました。ギガビット通信に対応していることと価格が安いことから、現在使用されているLANケーブルの多くが、このCat5eのLANケーブルでしょう。
カテゴリー6(Cat6)
Cat6のLANケーブルはCat5eのLANケーブルに改善が加えられています。高速通信にとって問題となるのは周囲のノイズ干渉です。ノイズ干渉が起きると、データがエラーになり信頼性が下がったり、速度が遅くなってしまう可能性があります。そこでノイズ干渉を防ぐためのシールドが加えられました。ノイズ対策を施すことで、さらなる高速通信も安定させることができるため、通信速度も10Gbpsをサポートするようになっています
カテゴリー7(Cat7)
Cat7のLANケーブルは、Cat6のLANケーブルよりもさらにノイズ対策が施されています。シールドが強化され、より安定した高速通信が可能になり、10Gbpsに完全対応しています。10Gbpsは次世代の規格で、いまだ一部の業務用途でのみ使用されているのみで、一般家庭には普及していません。
どのLANケーブルを使うべき?
まずローカルのネットワークの速度と、インターネットの速度は同じではありません。いくらローカルのネットワークをギガビット通信に対応した機器で統一しても、インターネットの契約が100Mbpsであれば、インターネットの通信速度が100Mbpsを超えることは絶対にありません。逆にインターネットを1Gbpsで契約していても、ルーターやLANケーブルが100Mbpsまでのものであれば、インターネットでの通信速度で1Gbpsは出すことはできません。
またインターネットの通信速度というのは、ほぼ間違いなく理論値の速度は出ません。1Gbpsの契約をしてネットワーク機器からケーブルまで用意したとしても、インターネットで1Gbpsの通信速度が出ることは無いでしょう。
しかし同じネットワーク内のパソコンやNASとファイルをやり取りする場合には、理論値近くの通信速度を出すことも可能です。もちろんパソコンの性能なども関係しますが、100Mbpsより1Gbpsで接続することで、何GBもある巨大なファイルもスムーズにやり取りできるでしょう。
現在、Cat5e以上のLANケーブルを使用しているのであれば、LANケーブルをグレードアップする必要はありません。新規に購入するのであれば、Cat5eもしくはCat6のLANケーブルを購入しましょう。Cat7は非常に高価ですし、一般家庭で使用するメリットはほとんどありません。